焚き火の音と、エビスビールを開ける音。 私のラジオ「未来への種まきラジオ」では、そんなリラックスした雰囲気で投資の話をしています。今回は、ビールと同じ「金色」の予感を感じさせる、私のポートフォリオの中で最も危険で、最も謎に包まれた「夢の銘柄」について語ります。

これまで「FFIE」として知られてきたその会社は、最近名前を変えました。 新コードネームは**「FFAI」**(Faraday Future Intelligent Electric)。

車をほとんど作っていないのに世界中のセレブを魅了し、さらに今は「AI」と「仮想通貨」という新たな武器を手に取った、不思議な自動車メーカーの話です。


車がないのにスターが集まる、不可解な魅力

正直に言えば、この会社の財務状況は真っ赤です。納車台数も、トヨタやテスラと比べれば誤差のような数字。本来なら投資対象にはなり得ません。

しかし、私の投資家としての「直感」が足を止めました。「車は街中で走っていないのに、なぜプロモーションだけは異常に豪華なのだ?」と。

驚くべきことに、世界の歌姫マライア・キャリーのPVに車が登場したり、世界一のYouTuberミスター・ビーストが出演したりしています。そして極め付けは、サッカー界のレジェンド、元スペイン代表アンドレス・イニエスタまでもが深く関わっているのです。

単なる実態のない会社なら、これだけのスターがリスクを冒してまで関わるでしょうか? 「ここには何か、一般人には見えていない”本物”があるのではないか?」 まるでミステリー小説を読み始めた時のようなワクワクを、私はこの銘柄に感じてしまったのです。


FFIEからFFAIへ。「移動するリビング」の進化

彼らは何を売ろうとしているのか。ここで重要になるのが、今回のティッカーシンボル変更です。「FFIE」から**「FFAI」**へ。最後が「AI」になりました。

彼らが開発する「FF 91」という車は、価格が数千万円とも言われる超高級車ですが、ただの移動手段ではありません。 コンセプトは「第3のインターネット生活空間」。つまり、**「タイヤのついたAI搭載の最高級リビング」**なのです。

後部座席の巨大スクリーンで会議も映画鑑賞も可能。テスラが「走るスマホ」なら、FFAIは「走る執務室」や「走る豪邸」を目指しています。そこに「生成AI」を完全に融合させ、車が会話する執事になる。だからこその「FFAI」への改名なのです。

真の狙いは子会社「AIXC」。クリプト経済圏への参入

ここまでが表向きの「高級EVメーカー」の話。しかし、私が猛烈に惹かれている理由は別にあります。ここからが本題です。

彼らは裏で、とんでもない子会社を作り上げました。 それが**「AIxCrypto Holdings」、ティッカーシンボルは「AIXC」**です。 なんと、EVメーカーがナスダックに「仮想通貨ファンド」を運用する子会社を持っているのです。

私は、仮想通貨や暗号資産が今後、国境を超えた決済やAI同士の取引など、世界中に間違いなく広がっていくと確信しています。 Faraday Futureは、その未来に賭けました。「C10 Treasury」という仕組みで暗号資産を運用し、車を作って売るだけでなく、ユーザーが運転データを提供して仮想通貨を稼ぐ「Move-to-Earn」や、車内決済を自社経済圏で行う「次世代モビリティ経済」を作ろうとしているのです。

イニエスタが見た「未来のパスコース」と投資家の夢

ここで再び、イニエスタ選手の話に戻りましょう。現役時代、誰も見えていないスペースにパスを通す「魔法使い」だった彼が、この会社に関わった意味。

もしかすると、まだ誰も評価していない赤字まみれのこの会社に、彼は何か「未来のゴール」を見たのかもしれません。それは「AIで動く車」と「暗号資産で回る経済」が融合した、全く新しい世界なのではないか。そう思うと、投資家としての胸が高鳴ります。

投資の教科書的には完全に「NG」で危険すぎます。しかし、Appleのような確実な城を守る一方で、こうした「未来へのロマン」に少額を賭けるのも、個人投資家の特権ではないでしょうか。

まとめ:未来への入場料

親会社「FFAI」が技術を作り、子会社「AIXC」が資金とクリプト経済圏を作る。この二つの歯車が噛み合った時、今の株価は「伝説の底値」になるかもしれません。

もちろん、これは壮大な実験であり、明日紙切れになるリスクも十分にあります。全力投資は勧めません。

しかし、私はポートフォリオのほんの少しだけ、この「夢」を持っておこうと思います。マライア・キャリーが歌い、イニエスタが微笑み、ブロックチェーンが世界を繋ぐ未来。その結末を見届けるための「入場料」として、FFAIとAIXCの動きを追いかけ続けます。

皆さんも、理屈ではないけれど「未来を感じる」銘柄に、たまには直感で向き合ってみるのも、投資の面白いスパイスになるかもしれません。